り之は歴史[#「歴史」に傍点]にぞくする。処が他方に於て、自然科学は正に自然科学であって、歴史科学乃至社会科学ではなく、歴史的社会の代りに自然を解明する任務をもつものである。かかる解明は云うまでもなく、絶対に自然そのものに忠実であることを要求される。それ故自然科学は他方に於て又、自然[#「自然」に傍点]にぞくさねばならない。然るに自然と歴史とは対立する。自然科学は従ってこの対立をそれに特有な二重性[#「二重性」に傍点]として有つのである。歴史的諸科学にとっても、自然は或る意味に於て歴史社会に対立はする。併しそこでは歴史社会の内に於ける、自然と歴史との対立――第二次的対立――なのであって、自然科学の場合のように第一次的対立があるのではない。之が自然科学に特有[#「特有」に傍点]な二重性である所以である。この二重性と相似な二重性を数学に於ても見出すことが出来る。蓋し超歴史的対象を持つ数学がそれ自身又歴史的存在であるのだから。併しこの場合、数学の対象界は一応、現実的ではなくして可能的にすぎないから、之と歴史的現実との対立は、現実と現実との対立ではない。両者の現実的な対立はそれ故ただ間接的[#
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