理関係が、何等か歴史的制約を蒙ることが階級性――第三の――だとすれば、自然科学の階級性は至極当然な事情でなければならないようである。そして科学の理論内容の実質はその論理に至って窮極すると云ったが、この論理が歴史的に制約されるからには、もはや科学のこれ以上の歴史的社会的制約はあり得そうにも思われないようである。自然科学は従って完全に[#「完全に」に傍点]階級性を有たねばならないと考えられそうである。――然るに夫にも拘らず人々は、初め見出すのに困難[#「困難」に傍点]だと云った自然科学――特に物理学――の階級性をば、依然として、容易なものとしては見出さないに違いない。之は不可能ではないにしても少くとも見出すのに至極困難であることには、依然として変りがない。それで人々は、吾々の主張を一応承認しなければならないに拘らずなお且つ之を無条件に信用することが出来ないに相違ない。茲にはまだ何かがある。一体かの困難[#「困難」に傍点]は何処から起こり、又何を意味するか。
注意すべきは自然科学のもつ特有な二重性[#「特有な二重性」に傍点]である。
自然科学は一方に於て一つの歴史社会的存在である、その限
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