ばかりでもなく、真理[#「真理」に傍点]A′[#「A′」は縦中横]に対する虚偽[#「虚偽」に傍点]Aとして、論理的に否定・止揚されることが結果し得るか否か、が今の問題である。もはや茲では、一つの歴史的所産・文化財としての科学が、歴史的に制約されているというだけではない、それならば知識社会学にでも一任してよいかも知れない――初めを見よ。そうではなくして、それの理論[#「理論」に傍点]内容が歴史的・階級的に制約されるかどうか、が問題なのである。今問題になっているものが、科学階級性の第三[#「第三」に傍点]階梯である。
もし科学を教科書風に鵜呑みにしない人々でさえあれば、歴史学・経済学・政治学・法律学・哲学・等々の歴史的(即ち哲学的)諸科学が、何等かの点に於てこの階梯の階級性をもつことをば、見逃すことが出来ないであろう。ここでは真理と虚偽との標準が階級性によって与えられることが出来るように見える。無論一定の階級に属するというだけで直ちにそれが真理又は虚偽だということになるのではない、ただ、階級のもつ夫々の歴史的制約が夫々科学の論理的制約へ反映することによって、真理又は虚偽を結果するのである
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