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一切の科学は、かくて以上二つの階梯の階級性を有つ。そして科学の階級性という言葉は往々この二つの意味に於ても用いられている。けれどもこの二つは、後に見るであろう階級性に較べて見れば判る通り、階級性の萌芽ではあるが、単に名目上の階級性でしかない。茲には殆んど問題は無いであろう。
向に科学の理論内容と云ったが、科学の実質的な内容は、その理論を保持する論理[#「論理」に傍点]――真理と虚偽との価値関係――にある筈である。之に較べては、前の二つの場合の理論内容は、理論の単なる――真偽関係から引き離された――材料でしかなかった。問題はそこで、もはや理論[#「理論」に傍点]ではなくして、論理[#「論理」に傍点]までが、歴史的に階級的に制約され得るか否か、である。単に科学ではなくして科学に於ける論理内容が階級性を有ち得るか否か、である。歴史的制約が論理的制約[#「歴史的制約が論理的制約」に傍点]――真偽関係――と交渉干渉し得るか否か、である。理論Aが之に代るべき理論A′[#「A′」は縦中横](必ずしも前に見たBではない)によって単に歴史的に代位されるばかりではなく、又単に拡張・修正・補遺される
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