って代位[#「代位」に傍点]されるのである。一切の科学に就いては人々は、かかる消滅発生の歴史的代位の関係を、不可能であると主張することを許されない。曾ては一種の神秘的な数学が存在した、現今では完全に合理的な数学しか数学ではあり得ない。そういう様に、例えば現今の数学が、それとは全く別な系統を有つ処の、併し必然的にこの数学の位置に代わるべき、或る未知の科学によって代位され得ないという主張は成り立たない。現今の数学が虚偽となったのではないにしても、存在の解明により役立つものがもし現われ得たなら、所謂数学は歴史の上から跡を絶つこともあるであろう。この公算は至極小さいが、併し原理上零ではない。そして之は数学の超経験的な普遍妥当性と少しも衝突しない空想である。今もし数学の代りに経験的諸科学を例に引くならばこのような可能性の公算は相当大きくなるであろう。吾々は強いて最も不利な数学の場合を取って見たまでである。――之は科学階級性の第二[#「第二」に傍点]階梯である。
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* この点を私は曾て明らかにしておいた。「問題に関する理論」を見よ。
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