る。そこでこの契機に於て取られる政策は、事実をありのままに正直に捉えるのであっては、それ自身が無政策を意味することとなる外はない。それ故茲ではもはや、正直が最上の政策ではあり得ない。政策はただ事実を歪曲してのみ政策であることが出来るのである。今、この低劣な意味に於ける政策を必要とするような契機に於てある歴史的状勢は、この契機に於て成立する理論の内容へ、一定形態の虚偽として反映されるであろう。夫はこうである。理論は一般に所期の結論を先取する――前を見よ。理論のこの特色は必ずしも事実歪曲を生命とする限りの政策にのみ固有なのではない、それは一般に政策と呼ばれるものを通じて最も著しい特色である。処が今の場合の所謂政策に於ては、元来それが事実を歪曲していたのであったから、所期の結論が事実のために絶えず裏切られ勝ちなのは当然であろう。そこでこの裏切を封じて所期の結論――それが実は事実の歪曲でしかなかった――を固執し得るためには、理論は様々の人工的又は慣性的不自然――事物の特色に対する不自然――を敢て犯さなければならなくなる。かくて例えば事物の中核は周辺に押しやられ、至極周辺に位置すべき要素は中心に
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