に、而も現実的な延長を有つ線分に、一応譬えられて好い性質を有っている。歴史的現段階の現実性はただ運動の契機[#「契機」に傍点]によってのみ――その継続時間とは関係なく――保証され、而も有限な単位を与えられることは注意されるべきである。処が歴史のこの運動は人々の行動の関門を通過して初めて実現[#「実現」に傍点]されるであろう。現実とは、もしそれが実現を俟つ概念でなければ佯《いつわ》りである。かくて歴史の現実性――歴史的現段階性――は或る意味に於ける実践[#「実践」に傍点]概念を俟つのでなければ誤りであるであろう。歴史的現段階は或る意味に於ける――その意味は次を見よ――実践から切り離されることが出来ない。
[#ここから2字下げ、折り返して3字下げ]
* 社会的存在が何故存在の代表者であるかは、茲に明らかである――前を見よ。蓋し社会的存在の内容が――夫は歴史であった――最も現実的[#「現実的」に傍点]だからである。なお存在の最も優越なる存在性を現実性(Wirklichkeit)から区別されたる意味で、例えば実在性[#「実在性」に傍点](〔Realita:t〕)であると考えることは、原理として
前へ 次へ
全268ページ中146ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
戸坂 潤 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング