。岩木川の橋を渡って、昨夜会面した諸君に告別し、Y君の案内により大急ぎで舞鶴城へかけ上り、津軽家祖先の甲冑《かっちゅう》の銅像の辺から岩木山を今一度眺め、大急ぎで写真をとり、大急ぎで停車場にかけつけた。Y君も大鰐《おおわに》まで送って来て、こゝに袂《たもと》を分《わか》った。余等はこれから秋田、米沢、福島を経《へ》て帰村す可く汽車の旅をつゞけた。
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     紅葉狩

      紅葉

 嫁《とつ》いで京都に往って居る季《すえ》の女《むすめ》の家を訪うべく幾年か心がけて居た母と、折よく南部《なんぶ》から出て来た寄生木《やどりぎ》のお新お糸の姉妹を連れて、余の家族を合せて同勢《どうぜい》六人京都に往った。松蕈《まつだけ》に晩《おそ》く、紅葉には盛りにちと早いと云う明治四十三年の十一月中旬。
 京都に着いて三日目に、高尾《たかお》槇尾《まきのお》栂尾《とがのお》から嵐山《あらしやま》の秋色を愛ずべく、一同車を連《つら》ねて上京の姉の家を出た。堀川《ほりかわ》西陣《にしじん》をぬけて、坦々《たんたん》たる白土の道を西へ走る。丹波から吹いて来る風が寒い。行手には唐人《とうじん
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