見物は※[#「勹+夕」、第3水準1−14−76]々《そこそこ》にして宿に帰る。
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茶路
北太平洋の波の音の淋しい釧路の白糠《しらぬか》駅で下りて、宿の亭主を頼み村役場に往って茶路《ちゃろ》に住むと云うM氏の在否《ざいひ》を調《しら》べて貰《もら》うと、先には居たが、今は居ない、行方《ゆくえ》は一切分からぬと云う。兎も角も茶路に往って尋ねる外はない。妻児《さいじ》を宿に残して、案内者を頼み、ゲートル、運動靴、洋傘《かさ》一柄《いっぺい》、身軽に出かける。時は最早《もう》午後の二時過ぎ。茶路までは三里。帰りはドウセ夜に入ると云うので、余はポッケットに懐中電燈《かいちゅうでんとう》を入れ、案内者は夜食の握飯《にぎりめし》と提灯《ちょうちん》を提げて居る。
海の音を背《うしろ》に、鉄道線路を踏切《ふみき》って、西へ槍《やり》の柄《え》の様に真直《まっすぐ》につけられた大路を行く。左右は一面じめ/\した泥炭地《でいたんち》で、反魂香《はんごんこう》の黄や沢桔梗《さわぎきょう》の紫や其他名を知らぬ草花が霜枯《しもが》れかゝった草を彩どって居る。煙草《たばこ》の火で
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