つれ/″\に、浜から拾《ひろ》うて来た小石で、子供一人|成人《おとな》二人でおはじきをする。余が十歳の夏、父母に伴《ともな》われて舟で薩摩境《さつまざかい》の祖父を見舞に往った時、唯《たった》二十五里の海上を、風が悪くて天草の島に彼此十日も舟《ふな》がかりした。昔話も聞き尽し、永い日を暮らしかねて、六十近い父と、五十近い母と、十歳の自分で、小石を拾《ひろ》うておはじきをした。今日《きょう》不器用な手に小石を数えつゝ、不図其事を思い出した。
 海岸を歩けば、帆立貝《ほたてがい》の殻《から》が山の如く積んである。浅虫で食ったものゝ中で、帆立貝の柱の天麩羅《てんぷら》はうまいものであった。海浜随処に※[#「王+攵」、第3水準1−87−88]瑰《まいかい》の花が紫に咲き乱れて汐風に香《かお》る。
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野糞《のぐそ》放《ひ》る外《そと》が浜辺《はまべ》や※[#「王+攵」、第3水準1−87−88]瑰花《まいくわいくわ》
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      大沼

       (一)

 津軽《つがる》海峡を四時間に駛《は》せて、余等を青森から函館へ運んでく
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