れ》の様に降っては止み、東に虹《にじ》が出たり、西に日が現《あら》われて遠方の屋根が白く光ったり、北風が来て田圃《たんぼ》の小川の縁《ふち》とる女竹《めたけ》の藪《やぶ》をざわ/\鳴らしてはきら/\日光を跳《おど》らせたりした。空《そら》の一部は印度藍色《いんどあいいろ》に濃《こ》く片曇《かたくも》りし、村と緑の麦の一部は眩《まぶ》しい片明《かたあか》りして、ミレーの「春」を活かして見る様であった。
(四)摘草
三月八日。
今日も雲雀《ひばり》が頻に鳴く。
午食前《ひるめしまえ》に、夫妻鶴子ピンを連れて田圃に摘草《つみくさ》に出た。田の畔《くろ》の猫柳が絹毛《きぬげ》の被《かつぎ》を脱いで黄《きい》ろい花になった。路傍《みちばた》の草木瓜《くさぼけ》の蕾《つぼみ》が朱《あけ》にふくれた。花は兎に角、吾儕《われら》の附近《あたり》は自然の食物には極めて貧しい処である。芹《せり》少々、嫁菜《よめな》少々、蒲公英《たんぽぽ》少々、野蒜《のびる》少々、蕗《ふき》の薹《とう》が唯三つ四つ、穫物《えもの》は此れっきりであった。
午後|本《ほん》を読んで居ると、空中《くうち
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