ります。
今日も雪模様ですから、午後から降るかもわかりません。
書きたい事は山々御座いますが、また次の便りの時にいたします。
乱筆を御許し下さいませ。日本語を此の頃は話しませんし、只葛城と日本語で話すものですから、乱暴な語ばかり習いまして、いつも余り無礼の語をつかって驚く事が御座います。
何卒《どうぞ》乱筆乱文御許し下さいませ。
先は御無沙汰御詫びかた/″\御機嫌御伺いまで。
一月廿日[#地から3字上げ]岩倉けい
御なつかしき
御姉上様
御まえに
[#ここで字下げ終わり]
此れがお馨さんの粕谷に寄せた最後の心の波であった。此手紙を書いて十一日目に、彼女は其最後の戦場なる米国ブルックリン病院看護婦学校の病室に二十四年の生涯を終えたのである。
お馨さんは死んだ。
新生涯の新夫婦、メェフラワァを目送するピュリタンの若い男女の一対《いっつい》の其一人は欠《か》けた。残る一人は如何《いかが》であろう?
[#ここから2字下げ]
一月卅一日午後七時半、最愛の我が馨子高貴なる人生の戦に戦い死す。忠信なりし彼の女は、死に至る迄忠信なりき。病は敗血症と腸炎
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