姐さんあんたは私ばかりを悪い者のように思っていますが、これ、こんなことを二人で相談している。用心しなけりゃいけません」
といって、私から女にあててやった秘密の手紙をすっかり女主人に見せてしまった。もし私と彼女と手紙で相談していたことが成就したならば、立場はおのおの異っていても彼らは利害を同じゅうせねばならなかった。
 女主人はまた私の方を見て、
「私のとこでもそんなことでお園さんにあの時|廃《や》められでもすると困るさかい……それまでは私もあんたはんという人があってお園さんを深切にいうておくれやすいうことは蔭ながらよう知っていまして、あんたはんのところへ行くのでもなるたけ他を断ってもそこを都合ようしてお園さんを上げるようにしておいたのに、どうしてそんな私のとこの迷惑になるようなことをおしやすやろ思うて……こんなこというてはえらい済まんことどすけど、そんな手紙を見てから後あんたはんのことを怨んでいました。それで三野村さんも初めは私の方で、お園さんにあんな人をつけておいては後にお園さんの出世の邪魔になるというてだんだん二人の間を遠ざけるようにしてたのどすけど、あんたはんがそんなことをお園さ
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