Aスキイヤアは雪杖《ステック》を持たない。なめらか雪のトラックを辷《すべ》って来て、一線に小高く築いた踏切りへ達すると、スキイヤアはそのはずみで空へ飛ぶ。同時に両手を円く廻して飛行を助けるのだ。下が急傾斜になっているから、しぜん遠くへ届く。記録の計り方は、踏切線から、スキイの背部の落ちた地点までを取ることになっている。転べば除外される。
スケイティング――瑞西《スイツル》のスケイティングには、大陸式《コンチネンタル》と国際式《インタナショナル》の二類型ある。
前者は、言い換えれば英吉利《イギリス》風で、手も足も、身体《からだ》全体を直線的に動かしてスケイトしなければならない。インタナショナルの方は、足の使い方も自由だし、運動を助けるために身体をどう曲げてもいいことになっているから、初めての人にはこのほうが這入りやすい。曲《ファンシイ》スケイティングには、短かいスケイトが適当とされているが、氷ホッケイや競争には長スケイトが用いられている。
その他、いま言った氷上ホッケイだの、カアリングだの、バビングだの、テイリングだの、ルウズィングだのと、これらがまた幾つにも別れて、瑞西《スイツル
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