O《そ》れるし、それに、どうもすこし説明に困るから、まあ、ここじゃあ止《よ》しとこう。それよりも、今いったロジェル・エ・ギャレの友達の医者《ドクタア》なる人の経験だが、こういう次第だから、彼が、ある week−end に出入りの有力な病家に招待されてその|田舎の会《カントリイ・パアティ》の客となったとき、そこに、一体どんなに大々的な歓楽の無政府状態が彼を待ち構えていたかは、つぎのような一つの実話が発生しただけでも、それはより[#「より」に傍点]容易に想像されようと思う――。
ちょっと語を切って、ロジェル・エ・ギャレは背後の音波に身を浸した。
[#ここから2字下げ]
Was it a dream ?
Say, was it a dream ―― ?
[#ここで字下げ終わり]
で、僕も章《チャプタア》を更《か》える。
4
土曜日の夜、というよりも、もう日曜の朝だった。ダンスがこわれて、ドクタアは、与えられた階上の寝室へあがって行った。こういう家は、泊りがけの客を考えて、まるでINNのように建てられてあるのが常だ。だから、これが小説だと、「みんな一本ずつ蝋燭《ろうそく》を
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