て、それを、ファシスト最高幹部会の評議にかけます。ファシスト最高幹部は、五十二人から出来ています。羅馬《ローマ》進軍当時の四人の将軍、ファシスト革命直後三年間の大臣と次官、一九二二年以後のファシスト事務総長、国民軍指揮官、学士院長、国防特別裁判所長、総組合長《シンダカト》などです。そこで、この最高幹部会で、取捨選択して、すっかり定員数の候補者を決めてしまって、その全体を、最後に、いっぱん一千万人の投票に問うのです。人々は、午前七時から午後七時までの間に出かけて行って、投票します。投票紙には、然《シイ》・否《ノウ》という二つの実に明白な文字が、印刷してあります。そのどっちかを消して、投票箱へ入れればいいのです。つまり、個々の候補者に投票するのではなくて、既にファシスト最高幹部会で決定した、その全部の顔触れに異存があるかないかを、投票するのです。そして、一体どこに、ファシスト最高幹部会の決議に反対するほどの、好奇な冒険家がいますか?――これは、何という、見事な選挙でしょう! 何という、優れた世紀の冗談でしょう! 何という、天才的な手数の簡略でしょう! あなたは、そうはお考えになりませんか。
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