の端《はず》れの、第二回|万国自動車展覧会会場《インテルナツォナアレ・アウトモビイレ・サロネ》へ来るように、と言うのだ。
私は、不思議にも、若いルセアニア人のことなぞは、すっかり忘れていた。そして、敵地にいる彼女から、こうして私に、こんな命令的な呼出しが来るのは、何だか当然至極のことのように思えた。私は、それを早晩来べきものとして、予期していたような気さえした。
間もなく、羅馬《ローマ》の雑沓が私のタキシの左右に後退していた。
到るところに、噴水と憲兵が立っていた。彫刻と、大石柱の並立とがあった。史的色調と、民族の新しい厳則《デサイプリン》とが、どこの露路からも、二階の窓からも、晴々しく覗いていた。
料理店では、食慾がマカロニを吸い込んでいた。それが、私を見て、手を振った。
英吉利《イギリス》の小都会からの観光団が、案内者の雄弁に引率されて、国民経済省の建物を見上げていた。それを、子供と写真帖《アルバム》売りが、遠巻きにしていた。
軍楽隊が来た。
黒装束に、腰の革帯に短刀を一本挟んだきりの、フュウメ決死隊の一人が、軍旗といっしょに、先頭だった。それに続いて、青灰色の軍服の
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