Cウェイ》じゃないか。ばかに曲りくねってるなあ。無数のぽちぽちがじっ[#「じっ」に傍点]としてる。自動車の列だ。あれでも早いつもりで走ってるんだろう。そのうえをすう[#「すう」に傍点]と飛行機の影が刷《は》いてゆく。
川がある。橋がある。人が渡ってる。
川は白い絹糸、橋は六号活字の一、人はペンさきのダットだ。すぐうえに太陽があり、まわりにうすい雲が飛び去り、下は一めんに不可思議なパノラマ――すべての王国と共和国と財宝と野心と光栄と、それらがみな私への所属をねがってひろがっている。何という地上の媚態、嬌姿! だが、現世《うつしよ》の舞台は何と悪魔の眼にあわれに貧しく映ることよ!
私たちが夢にも知らないうちに、科学はこの赫灼《かくしゃく》たる動きとパッションをこころゆくまで享楽していたのだ。銀翼号と他の飛行機たちよ! このとおり頭を下げる。おんみらこそは新世紀の芸術だ。私たちの最大の傑作――あ! 汽車だよあれは。二寸ほどの列車! おい、見ろみろ、はっはっは、何てしたり[#「したり」に傍点]顔の、こましゃくれた爬虫類だろう!
NOW OVER Dungeness.
谷・巨木・まっく
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