はじめる。柳麗玉は信頼と誇りの面持ちで、うっとりと安重根を見上げている。
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元の隣室、集会所。

第六場の終りのままで、禹徳淳が、電燈から取った赤い紙片を読みつづけている。
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禹徳淳 (大声に)
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かの奸悪なる老賊め
われわれ民族二千万人
滅種の後に三千里の錦綾江山を
無声の裡に奪わんと
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青年らは凝然と聞き入っている。
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青年J (突然叫ぶ)何でもいいや。やっつけりゃあいいんじゃねえか。(禹徳淳へ)なあ、小父さん!
黄成鎬 静かにしてもらいてえね。もう何時だと思う。
青年K 何時だってかまうもんか。安重根さんが来るまでは帰《けえ》らねえぞ。
青年L そうだ、そうだ! みんな安さんを待って夜明かしするんだ。なあ、おい。
青年M 誰が安さんのほかに、生命を投げ出して決行しようという者がある。(叫ぶ)コレア・ウラア! 安重根ウラア!
禹徳淳 (手の赤紙を
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