[#ここで字下げ終わり]
[#改行天付き、折り返して1字下げ]
駅長 (にこにこして)ちょっと調べさせて頂きます。
禹徳淳 (俯向けに寝台に寝転がる)またか――うんざりするなあ。
駅長 (劉東夏を見て)あなたはなぜそんなところに掛けているんですか。
劉東夏 ベッドが二つしかないもんですから――。
駅長 なるほど。(禹徳淳へ微笑)このホテルは駅に接続しております関係上、私の管轄になっておりますんで、御迷惑でしょうが、お答え願います。
禹徳淳 はいはい、(元気よく起き上って肘を張る)答えますとも! さあ、何でも訊いて下さい。
駅長 なに、ほんの形式ですよ。
安重根 先刻も軍隊のほうから審《しら》べが来ました。うるさくて寝られやしません。いったいどうしたというんです。
駅長 (とぼけて)さあ、何ですか、私どもは上司の命令で動いているだけですから――(禹徳淳へ)三人御一緒ですか。
禹徳淳 はい。そうです。
駅長 どちらからおいででした。
禹徳淳 旅の飴屋なんです。ハルビンから来ました。
駅長 これからどちらへ?
禹徳淳 明朝三夾河、寛城子の方へ発《た》つつもりです。
駅長 ありがとう。お邪魔し
前へ
次へ
全119ページ中106ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
谷 譲次 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング