細金で模様を置くのである。描《か》くとはいえない。それから金泥で細金の如く模様を描くのがあります。
極彩色はやっぱり絵画と同じ行き方で、胡粉で白地に模様を置き上げ、金にする所は金にして彩色にかかる。生け彩色は一旦《いったん》塗って金箔を置いて、見られるようになった時、牡丹《ぼたん》なら牡丹の色をさす[#「さす」に傍点]。葉は葉で彩《いろど》り、金を生かして、彩色をよいほどに配して行く。これはなかなか好い工夫のものです。
桐油彩色は、雨にぬれても脱落《はげ》ないように、密陀油《みつだゆ》に色を割って、赤、青と胡粉を割ってやるのです。余り冴《さ》えないものだが、外廻りの雨の掛かる所、殿堂なら外廓に用いられる。
底本:「幕末維新懐古談」岩波文庫、岩波書店
1995(平成7)年1月17日第1刷発行
1997(平成9)年5月15日第6刷発行
底本の親本:「光雲懐古談」万里閣書房
1929(昭和4)年1月刊
入力:山田芳美
校正:土屋隆
2006年1月15日作成
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