山を讃する文
小島烏水
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)頗《すこぶ》る
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)これに異なり、|夏の休暇《サムマア・ヴァケーション》は、
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「にんべん+倉」、第4水準2−1−77]
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近来邦人が、いたづらなる夏期講習会、もしくは無意義なるいはゆる「湯治」「海水浴」以外に、種々なる登山の集会を計画し、これに附和するもの漸く多きを致す傾向あるは頗《すこぶ》る吾人の意を獲《え》たり、しかも邦人のやや山岳を識るといふ人も、富士、立山《たてやま》、白山《はくさん》、御嶽《おんたけ》など、三、四登りやすきを上下したるに過ぎず、その他に至りては、これを睹《み》ること、宛《さなが》ら外国の山岳の如くなるは、遺憾にあらずや。
例へば東京最近の山岳国といへば、甲斐なるべくして、しかも敢へて峡中に入り、峻山深谿《しゅんざんしんけい》を跋渉《ばっしょう》したるもの幾人かある、今や中央
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