傍点]」という問題を、説明するのでありますが、はじめから皆さんに「空」とはこんなものだと説明していっては、かえってわかりにくいし、またそう簡単にたやすく説明できるものではないのですから、その「空」を説明する前に、まずはじめに、「空の背景」となり、「空の根柢《こんてい》」となり、「空の内容」となっているところの「因縁[#「因縁」は太字]」という言葉からお話ししていって、そして自然に、空という意味を把《つか》んでいただくようにしたい、と思うのであります。なぜかと申しますと、この「因縁」という意味を知らないと、どうしても空ということが把めないのです。ところで、まず本文のはじめにある「舎利子」ということですが、これはむろん、人の名前です。釈尊のお弟子《でし》の中でも智慧第一[#「智慧第一」に傍点]といわれた、あのシャーリプトラ、すなわち舎利弗尊者《しゃりほっそんじゃ》のことです。いったいこの舎利弗は、もと婆羅門《ばらもん》の坊さんであったのですが、ふとした事が動機《もと》で、仏教に転向した名高い人であります。
舎利弗の転向[#「舎利弗の転向」は太字] ある日のこと、舎利弗が王舎城《ラージャグ
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