一切の苦を除く、真実にして|虚[#「真実にして|虚」は太字]《むなし》からず[#「からず」は太字]」といってあるのです。全く真実|不虚《ふこ》です。嘘《うそ》だといって疑う方がわるいのです。真理だ、ほんとうに疑うべからざる真理だとして、ただ信じ、これを実行すればよいのです。けだし「般若波羅蜜多」という事は、屡次《るじ》申し上げたごとく、彼岸へ渡るべき智慧の意味であり、同時にそれは迷いのこの岸から、悟りの彼岸へ渡った、仏のもっている智慧であります。しかもその智慧は、一切は因縁[#「因縁」に傍点]だと覚《さと》る所の智慧ですから、結局、因縁という二字を知るのが、この般若の智慧です。かつて、釈迦は「因縁」の真理に目醒《めざ》めることによって、覚れる仏陀《ほとけ》になったのです。したがって、私どももまた、この因縁の真理をほんとうに知ることによって、何人も仏になりうるのです。しかも因縁を知ったものは、因縁を殺す[#「殺す」に傍点]ものではなくて、因縁をほんとうに生かす[#「生かす」に傍点]人です。しかもその因縁を|活[#「因縁を|活」は太字]《い》かす人[#「かす人」は太字]こそ、はじめて一切|
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