面に、紅の木の葉を、散りしかせたのでした。茶人がまさしく求めたものは[#「茶人がまさしく求めたものは」に傍点]、単なる清潔[#「単なる清潔」に傍点]ではなかったのです。美と自然とであったのです。
 和敬清寂のこころ[#「和敬清寂のこころ」は太字] 右の話は、岡倉天心の書いた『|茶の本《ブック・オブ・テイ》』にも出ておりますが、「清潔」「清寂」を尊ぶ茶人の心にも、まことにこうした味わうべき世界があるのです。「和」と「敬」と「清」と「寂」をモットーとする茶の精神を、私どもは、もう一度現代的に、新しい感覚でもって再吟味する必要があると存じます。そこには必ず教えらるべき、貴《とうと》い何物かがあると思います。
 塵の効用[#「塵の効用」は太字] いったい世の中で、なんの役にもたたないものを「塵芥《ちりあくた》」といいます。だが、もし塵芥[#「塵芥」に傍点]といわれる、その塵がなかったとしたらどうでしょうか。あの美しい朝ぼらけの大空のかがやき、金色燦然《こんじきさんぜん》たるあの夕やけの空の景色、いったいそれはどうして起こるのでしょうか。科学者は教えています。宇宙間には、目にも見えぬ細かい小さい
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