《ゆ》きました。だが、「因縁」、「無我」の原理は、宇宙の光[#「宇宙の光」は太字]として、今もなお、燦然《さんぜん》として輝いています。いや、人間がこの地上に生活するかぎり、未来永遠に輝いてゆくことでありましょう。
 仏陀釈尊はわれわれに教えています。
「過去の因を知らんと欲せば、現在の果[#「現在の果」に傍点]を見よ。未来の果を知らんと欲せば、現在の因を見よ」
 と、まさしくそれは偽りなき真理のことばです。ライプニッツのいっているとおり、現在は、実に「過去を背負い、未来を孕《はら》める」現在です。ゆえに、過去の因は、とうぜん現在の結果によって知られるのです。永遠の過去を背負った今日は、同時に永劫《えいごう》の未来を孕める今日です。今日は単なる今日ではない。まさしく、「永遠なる今日」です。歴史的現実です。現在なくして昨日もありません。今日という現在は、一切の過去を含み、そしてまた一切の未来を孕んでいるのです。詩人グレークの「刹那《せつな》に永遠を掴《つか》む」というのも、まさしくこの境地をいったものです。ほんとうに詩人のいっているごとく、「昨日は生きた。今日は生きている[#「今日は生き
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