がごとく、主観的にも、宇宙の真理を語る所の、智慧《ちえ》そのものもまた空だ、というのが、「無明もない」、「老死もない」ということ、すなわち十二因縁もまた空だというのがそれです。ところで、この「十二因縁」の一々についての、詳しい説明は、かえって煩瑣《はんさ》ですし、またここではその必要を認めませんので省略しておきますが、ただここで、ぜひとも注意すべき大切なことは、「十二」という数字よりも、むしろ「因縁」という二字が大事だということです。すなわち十二という数が、必ずしも特別に重要な位置を占めるものではなくて、「因縁」ということが必要なのです。「因縁」ということ、因縁の内容をば、十二の形式によって説明したものが、この「十二因縁」でありまして、これは結局、「因縁」という一語につきるわけです。したがって、開けば十二、合すれば因縁の一つというわけです。
 因縁の体験[#「因縁の体験」は太字] さてこの因縁が、どんなに重要な意味をもっている語《ことば》であるかは、すでに、しばしば反覆《くりかえ》し説いてまいりましたが、要するに、縦から見ても横から見ても[#「縦から見ても横から見ても」に傍点]、内から
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