毒と迷信
小酒井不木
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)説明せしことを以《もつ》て
|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)必要|欠《か》くべからざるものであり、
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、底本のページと行数)
(例)蠑※[#「※」は「むしへん」+「原」、読みは「ゲン」、第3水準1−91−60、92−3]《ゐもり》
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)屡々《しば/\》
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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一 原始人類と毒
ダーウインの進化論を、明快なる筆により、通俗的に説明せしことを以《もつ》て名高い英国の医学者ハツクスレーが、「医術は凡《すべ》ての科学の乳母だ」といつたのは蓋《けだ》し至言といはねばなるまい。何となれば、吾人の祖先即ち原始人類が、この世を征服するために最も必要なりしことは主として野獣との争闘であり、従つて野獣を殺すための毒矢の必要、又負傷したときの創《きず》の手当の必要等からして、医術は人類の創成と共に発達しなければな
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