は決して容易なものではありません。最初は家兎の心臓を切り取り、その代りに喞筒《ポンプ》を置きかえようとしましたが、それは出血がはげしくて、到底目的を達することは出来ませんから、後には、家兎の心臓はその儘《まま》にして置いて、喞筒《ポンプ》に比較的長い管をつけ、それをそれぞれ適当な大血管へ結びつけることに致しました。
最初は人工肺臓については考案をめぐらさないで、人工心臓のみについて研究しましたが、人工心臓だけですと、却《かえ》って、肺動脈と肺静脈とに喞筒《ポンプ》の管を結合するだけの手数が多いですから、寧《むし》ろ人工肺臓附きの人工心臓を工夫した方が便利であるということに気がつきました。心臓は御承知の通り四つの室から成って居《お》りますから、人工心臓即ち喞筒《ポンプ》にも自然四室を設けなければなりませんが、人工肺臓附きの人工心臓ですと、活栓の上下二室だけ即ち実は一室でよろしく、頗る簡単となる訳です。
喞筒《ポンプ》の材料には初め壁《へき》の厚いガラスを用い、活栓に硬《かた》ゴムを使用致しました。これは血液の流れ工合を外部から観察するためでありましたが、後には、喞筒《ポンプ》も活栓も
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