山潜氏の運動で、在米の日本人労働者が着々社会党を組織するに至つたのは、賀すべきです、先日はシャトルに出来、今度はオークランドに出来て、白人社会党と提携の運動をして居ます、万国社会党には人種の区別も郷里の区別も宗教の区別もありません、皆な兄弟です、若し社会党が政権を取れば、所謂「黄人禍」の心配などは少しも無くなるのです、是ばかりは主戦論者でも賛成でしやう。
何の運動でも婦人が加盟するやうになれば、必ず成功するとは、西洋人の言葉ですが、殊に仁愛を命とする社会主義の如きは、必ず婦人の力に待たねばなりません、欧米社会党の盛大なのは、婦人社会主義者が与つて力あるのです。
近日の一快報は、札幌の竹内余所次郎氏の夫人と同地の女学生T君Y君等の社会主義の研究、運動に加はられたことです、別項に掲げてある『まるやまの花見』は、其報告です。
妙齢の婦人が、はづかしさ、きまり悪さを忍んで、主義の為めに働かれる様を想へば、我等は深き感謝を表せねばなりません、我等は此人々が、人類同胞に対する大なる愛を発揮して、日本の婦人社会主義の卒先者たる名誉を荷はれることを望みます。
五
廿四日の朝、始め
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