行きしとしまするや、殺害する位なら新宿にも川や井戸は沢山あります。なんのために自分は同人を殺害しなければならぬ理由ありましょうか。神戸牧師仲介の労を取り事済みとなりましたものを、自分は常に六法全書を膝元へ備えて居りました。死刑又は無期そのような大罪を犯すような事は、いたしません。京都監獄放免後八年間在京いたし荊妻《けいさい》と三越にも松屋にも行きました。盗みや万引した事はありません。聖書会社から聖書を持出したのは日本人支配人尾島氏の許容を得たものですから引出したと云う訳、今こんな身に成ると思いますなら引出すのではありませんでした。自分は前科四犯もあることですから、常に高輪警察署より注意人物として目されてある事も自分は承知して居りました。罹災の際には二度も同署に呼出され、其当時の状況始末書を取られて居ります。其当時身に一寸も暗い事はありませんから、警察から呼出されましても平気で出頭したものであります。身に殺人犯放火犯の覚えがあるなら呼出状に接しましても出頭して居りません。
恐入りますが赤坂順天堂病院へも高町病院へも同日は訪ねて居りません。よく御取調べを願いとう存じます。神楽坂署にて申立
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