たか。
 答 そうです。その趣を話し如何なる処置を執るかと支倉に告げました。
 問 支倉は何と答えたか。
 答 謝罪する又病人を治してやると申しました。父と云うのは正直な男で、初めは謝罪と病気治療で済ますと申して居りました。
 問 其後交渉は如何に為ったか。
 答 彼は弟定次郎は労働者だから成るべく事実を知らしたくない。知らすと無理な要求をするかも知れないと申して居りましたが遂に弟に話したと見え、弟一人か又は二人一緒に、私方へまいりました。
 弟定次郎が蛇《じゃ》の道は蛇《へび》で支倉の悪事に感づいた事が、思えばこの事件の起る原因だったのだ。支倉は彼の脅迫を恐れて貞を殺したのだろうか。

 神戸牧師の証言は縷々として続く。
 答 支倉を呼び寄せて小林の申出を話すと、少しの金は出来るけれどもそんな大金は払えぬと申しました。且つ同人は小林の方で是非金を取ると云うならば裁判の問題にするとも云いました。小林定次郎も聞いて呉れねば告訴すると云いました。私は支倉にそんな馬鹿な事をするよりも示談にした方がよいと勧告しました。其結果支倉は百円ならば出すと云い其旨を小林方へ伝えました。
 問 小林定次郎
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