蛮民等はジュギュルタが、あらゆる隙《すき》に乗ぜんとせり
当時世に、彼等に手向ふものとてなかりし!……
彼はアラビヤの山多き地方に生れた、彼は健《すこや》かに
軟風《そよかぜ》の云ふを聞けば、※[#始め二重括弧、1−2−54]これはこれジュギュルタが孫!……※[#終わり二重括弧、1−2−55]
我こそは羅馬の国土に乗り込めり、
その都までも。ニュミイドよ! 汝《なれ》が額に
我|平手打《ひらてうち》を啖《くら》はせり、我は汝等《なれら》傭兵ばらを物の数とも思はざり。
茲にして彼等久しく忘れゐたりし武器を執り、
我亦立つて之に向へり。我は捷利を思はざり、
唯に羅馬に拮抗せんことこそ思へり!
河に拠り、巌嶮《いはほ》に拠りて、我敵軍に対すれば、
敵|勢《ぜい》は、リビイの砂原《すなはら》、或《ある》はまた、丘上の角面堡より攻めんとす。
敵軍の血はわが野山蔽ひつつ、
我がなみならぬ頑強に、四分五裂となりやせり……
彼はアラビヤの山多き地方に生れた、彼は健《すこや》かに
軟風《そよかぜ》の云ふを聞けば、※[#始め二重括弧、1−2−54]これはこれジュギュルタが孫!……※[#終わり二重括弧
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