く》であり、永続きのしない事である。
そこで本当に勉強しようとすれば、何んといっても、大勢の画家が集って、各々がお互に眺め合い、せり合い揉《も》み合ってグングンと進んで行くのがよい方法である。
それは、私自身の経験に見ても、昔、白馬会《はくばかい》の研究所でおよそ一ケ年と、美校の二年間のデッサン生活において、先生の指導も結構に違いはなかったが、お互の競争心理が、絵を進ましめる事に非常な力があった事は確かである。
そこで私は普通学の勉強時代やアマツールとしての時代がすみ次第に本当に絵をやろうとするにはやはり美校あるいは相当の研究所へ通う事が最も適当な方法であろうと考える。
素描の方法について
話の順序として、ここに極く概略のデッサンとしての木炭画の方法の概略を述べて置こうと思う。
デッサンの準備
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木炭(西洋木炭)
木炭紙
カルトン(紙|挟《ばさ》みであり画板《がばん》であるもの)
クリップ 二個(紙を抑《おさ》える)
フィキザチーフ Fixatif(仕上った画を定着する液)
吹き器(フィキザチーフを画面へ吹きつける)
食パン(食パンの軟《やわらか》
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