の中でもはなはだ不安定な極楽だと思えてならない。なぜだかわれわれ絵描き渡世するものにはよくわからないが、どうも安定な感じだけはしないことは確かだ。私等の仕事の絵画の構図と構成は第一の条件として安定を求めている。そして統一である。昔から天地人といって、少々先端的な例ではないが、天地人の構図はあらゆる方面にも用いられている構図の基礎である。
 色彩においても調子においても、画面の全面にわたってその軽重濃淡配置よろしき時絵画は仕上がり、人はその画面に向かって安心して見ほれることが出来る。機関車、飛行機、軍艦の安定は絵画の調子の安定より以上に必要だろうと思う。調子、色彩、リズムの不整頓な絵画を見せて死傷者を出した展覧会というものはない。
 しかしながら明治以来われわれは単位のまったく違った文化の将来によっていわゆる過渡期という年代があまりにも永く続いているので、極楽は不安定なものだとさえ習慣によって思ってしまうようにさえなりつつあるような気さえする。だが一枚の絵でさえも調子を合せるに一〇日もかかることがあるし、構図の安定に幾日間を費やしてなおまとまらないのだから、この極楽世界の混乱をパンやゴム
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