買って待たせておいた自動車へ埋まり、銀座へ出て、ハンドバックを買ってやるかも知れない。
 その訳でかどうか知らないが、あの幾百枚の油絵の中で、何点が見知らぬ人に買われて行くかを注意して見ると、全く驚くべき少数のものが引取られるのみである。東京はまだいい、大阪での開催中において、毎年一枚かせいぜい二枚か売れて行くだけであると云うと何か嘘のような、税務署への申告のような話だが本当なのだ。それも調べて見ると何かの縁につながれたる人情を発見すると云う有様である。
 だが展覧会は売る為めの仕事ではないと云えば又それまでの事ではあるが、画家の一年中の代表作が売れて行く事は悪い現象でもあるまい。
 だが近代の展覧会はいよいよ形が壮大となり、秋季大興行の一つとなって来つつある。そして近代の画家は一年中、食物と戦いつつ若き男女の漫歩に適するハイカラなる背景を無給で製造している訳でもある。何千人の人達が散歩して了い画界の潮流を示して了うと直ちに引込めてあとは画室の納屋へ永久に立てかけておく。
 せめてそれでは、入場者が全国野球大会の一日分位いでもあって、その五十銭の入場料の配当にでも出品作家が預かればまず
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