愛すべき動物のようですが、まず一カ月と交際を続けて御覧なさい、以外に意地の悪い、女の腐ったような奴だということを発見するでしょう。大久保君鹿を目がけてステッキを投げつけた。すると彼女はずるい目つきでわれわれを眺めながらスポンという音とともにおならを発しました。私はそのお尻がパッと開いてすぐ閉じる瞬間を、はっきりと眺めました。
 大久保君は投げたステッキを拾いながら、君、あいつは無茶やなアと申しました。
[#地から1字上げ](「週刊朝日」大正十四年九月二十日)

   胃腑漫談

 最近、私は持病の胃病に悩まされていたのでつい考えが胃に向うのである。
 総じて病人というものは病気を死なぬ程度において十分重く見てほしがるものらしい。「なんだそれ位の事でへこたれるな、しっかりし給《たま》え」などいわれると病人の機嫌《きげん》はよろしくない。「何んでも君の病気は重大な病気だよ、なかなか得がたく珍らしい種類のもので、先ず病中の王様だね」位に賞讃すると随分喜ぶものだ。しかし決して死ぬといってはいけない、頗《すこぶ》る気ままなものである。
 病気でさえも自分のものとなると上等に見てもらいたいというの
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