います。即ち私のガラス絵描法というのは決して一子相伝《いっしそうでん》法の秘法ではありません。自分勝手な、便利な方法に過ぎないのでありますから、もっといい方法があれば何時《いつ》でも私は教わりたいのであります。
 私は目下自分の便利上、油絵具を使用します、しかしながら支那のものなどは粉末絵具をニスで溶解して使用しているようであります、私はそれも試みて見ましたがなるほど粉末絵具や日本絵具の砂ものなどを使用する方が味がいいようであります。
  ○私が目下使用している製作材料
(A) 油絵具使用の場合
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顔料《がんりょう》(油絵具) を用います、普通油絵に使うだけの種類は必要です。
  (金銀泥及|箔《はく》) 泥は大変美しい装飾的効果を現わすものです、私はよく金泥で署名をします。
[#ここで字下げ終わり]
 メディユムとしての油
A ヴェルニアタブロー 〔Vernis a` tableaux〕
B 速乾漆液 工業用薬品店にあります[#「A」と「B」は「メディユムとしての油」の下で二行に分かれ、「A」「B」の下に上向きのくくり記号]

 右二種の油を
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