Aを7Bを3位いの割合に混合して使用します、この割合は時に多少、変更してもよいのです、速乾が多くなると早く固まり過ぎて、広い部分など塗るのにむら[#「むら」に傍点]が出来て困る事があります。またヴェルニばかり多量では、乾きが遅くて、あとから筆を重ねると、先きの絵具が皆動いてしまいます。
この二種のいい加減の混合液は、ガラス絵の生命であって、この油によって、絵具がガラス面へ固定して、次へ次へと筆を重ねて行く事が出来るのです。
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筆 非常に軟かいものがよいので、私は日本画の彩色筆を大小五、六本と、面相筆《めんそうふで》を二、三本用意しています。
筆洗い 石油、及アルコールを併用します、即ち石油で先ず洗った後になおアルコールでよく洗って置くのです、アルコールは主として速乾を洗い落すのです、あるいは手先きのよごれた時や、ガラス面の掃除《そうじ》に使用します。また描き損じた絵を洗い落すにもアルコールが一番|重宝《ちょうほう》であります。
ガラス 油絵でいえばカンヴァスに当るものです、描くべきこのガラスは、なるべく薄くて、凸凹《でこぼこ》や泡のないものを
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