て道釈人物、雲鶴等が描かれてあるのです、そして、扉へ嵌込《はめこ》まれてあります、あるいは巻煙草《まきたばこ》の箱の周囲に貼《は》られているものでかなり美しいものがあります。
三 ガラス絵の技法
ともかくその種類を探せばいくらでもある事でしょうし、またその蒐集《しゅうしゅう》や穿鑿《せんさく》は近頃ぼつぼつ古いガラス絵や阿蘭陀《オランダ》伝来のビードロ絵を集める事も漸《ようや》く流行して来たようでありますからその道の好事家《こうずか》にお願して置く事として、その種類等についてはこの位いに止めて、私はその考証や穿鑿よりもこの不思議に美しい技術をば――正に消滅しかかっているこの技法をば、もっと芸術的に、そして近代的な表現方法と神経とで、も一度世の中へ生かして行きたいと考えたのであります。
そこで私の買い集めた貧しい参考品を資料として勝手な方法を種々工夫して見たのでありますがなかなか思う様《さま》絵具がのびなかったり、乾《かわ》きにくかったり、乾き過ぎたりして都合よく行かないのでありますけれども、とにかく今までやって見た中で一番結果のよいと思《おもわ》れる方法を述べたいと思
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