《シナ》のものでも、例えば厨子《ずし》の扉へあるいは飾箱の蓋《ふた》へ嵌込《はめこ》まれたりあるいは鏡の裏へあるいは胸飾りとして、あるいは各種の器具へ嵌込まれたものが多いのであります、その絵としての価値も、丁度|大津絵《おおつえ》とか泥絵《どろえ》とかいうものの如く、即ちゲテモノ[#「ゲテモノ」に傍点]としての面白味であって、偶然、非常に面白いものがあり、また非常に下等なものがあるのです、従ってガラス絵はすべて面白いとはいえません。
その作品をいい画家や、工芸家がやらなかったためか、随分世界的に行渡った技術であるにかかわらず、あまり重要に考えられず、有名な作者もわからず、次第に衰退してしまったようであります、それですから、どの国でいつ頃《ごろ》始まって、どう流れたものか、どう世界へ拡《ひろ》がったか、誰《だ》れが発明したものか一切不明であります、勿論《もちろん》私は歴史的な事を調べる事がうるさい性質ですからなお更《さ》らわかりません。その沿革起源等についての詳細を私も知りたいのですがこれは適当な人の研究があれば結構だと思います、あるいは近頃よほどガラス絵を鑑賞する事も一般に行われて来
前へ
次へ
全166ページ中46ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
小出 楢重 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング