と大阪市全体、私の家族全体、友人全体が、なんやこう、けったいな言葉を使うものだから、私だけが、そうかね御苦労だったねなどいって見ても、全く、それこそ、なんやこうけったいな調子になって、少しも周囲と同化しないし、第一親しさが表わせない、私だけが何か新派の芝居でもしているように見えて可笑《おか》しくて堪《たま》らない、やはり私は、さよか、おおきにはばかりさんといってしまう。その方が不都合が起らないのだ。
その位い、私は大阪弁なのである。ところが単に親しさを表すだけの時にはいいが、何か演壇へ立つとか、あるいはラジオの放送であるとか、あるいは講演、婚礼や新年の挨拶《あいさつ》、火事見舞、仏事、などにはあまり進んで出られないのである。その上ちょっと気兼ねをすると直ちに言葉がのど[#「のど」に傍点]へつまってしまうくせ[#「くせ」に傍点]があって、あのう[#「あのう」に傍点]とそのう[#「そのう」に傍点]以外一句も出なくなるのである。私はさように大体、言葉には辟易《へきえき》しているのである。
ところで、私が、フランスへ行こうと考えた時、何よりも困った事は言葉の勉強であった。私は中学時代の英語
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