くのだ、もし誰れかが海へ行きましょうかと来るとすぐそのぬれた水着を示して、いやもう今帰ったばかりで……、ああ草疲《くたびれ》たという顔をして見てはどうかとも思うのである。
足の裏
現在の歓楽場から活動写真を引去ったら一体何が残るかと思える位、今は活動写真の世界であるが、私たちの小学校時代には、この活動写真がまだ発明されていなかった、その代用としては生人形、地獄極楽、化物屋敷、鏡ぬけ、ろくろ首の種あかし、奇術、軽業《かるわざ》、女|相撲《ずもう》、江州音頭《ごうしゅうおんど》、海女《あま》の手踊《ておどり》、にわか[#「にわか」に傍点]といった類《たぐい》のものが頗《すこぶ》る多かった、その中でも江州音頭とか海女の手踊、女軽業などというものになると、これは踊りや芸その物よりも、多少女の身体及びその運動を観覧せしめるものだともいえるところの見世物《みせもの》であった。
私は、随分いろいろの見世物が好きで、しばしばその看板を眺めに行ったものである、少し人間の情味がわかるようになってからは、地獄極楽や鏡ぬけよりも、陰鬱《いんうつ》なろくろ首や赤い長襦袢《ながじゅばん》一枚で踊る江
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