さて仲人のあいさつがあった後来賓総代が立ち上がった。その祝詞がもうやまるかと思っているにやまらないのだ。面白くもないのにだらだらと長びくところ、どうやら例のこれは祝詞的漫談のつもりであるらしいのであった。
 気の毒なのは花嫁花婿とその両親達であった。だらだらととまらぬ電車に乗った漫談中は、直立不動の姿勢において立ちつづけておらねばならなかった。
 私は、もしもこれが素人漫談大会ででもあったなら、もうよせよせぐらい野次ってもいいと考えたが、第一流の集まりの中では左様な無礼も許されない。
 しかし私は浄瑠璃を夢中で一段語ってしまう天狗の心情も察してほほ笑むことも出来た。
 さてこんな場合はやはり校長的風格を保ちつつ鹿つめらしく、そもそも今回の御結婚は御両家の、など申し上げている方が心からの可愛らしさがあっていいと思う。何しろわれわれは寄席へ集まっているのではないのだから、ちっとも笑ってみたくも何ともないのだ。
 しかし、漫のつくものは漫歩、漫談、漫画、漫遊、漫筆等、肩のこらない気安さはあっていい。だが私はなぜか近頃ますます漫という字に臭気を感じだして厭になりつつある。

 秋の大展覧とい
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