、草の茂み、星、虫の声、石塔の頭が並び、人家はなく、線路は近し、シグナルが青く、いくつかの列車が往復した。もう今度が終列車らしいのだ。これを外してはまたあす一日歩かねばならぬ。R子は私を抱いていうのだ。「今度こそは一と思いに、な」と念を押した。
機関車は火の粉を高く吹き上げつつ近づいて来た。二人は立ち上がった。そしてそれから何も知らない。
頭をひどくやられた私は、入院して約一カ月の間仮死の状態で暮してしまった。その間に文具屋は廃業され、R子の家の方もほぼ片づき、私はある寺院で出家させることにまで、プログラムが定められていた。
その辺りで私が再びこの地球へ舞い戻って来た。私の蘇生は私にとっても誰にとっても迷惑なことなのだ。目が醒めると同時に私は、R子はどうしたかと皆に訊ねたが、皆返答に困った。
私はまだ機関車の火の粉の前にいる気がした。「一と思いに、な」といったR子の声が強く耳にのこって消えない。私は何か適当な紐かナイフを求めたが、厳重に警戒されていた。
R子はその場で粉砕されたことが、だんだん私に知れて来た。
7
その寺院は、ちょうど箱根の環翠楼とか何
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