わからぬ涙を流して動かなくなってしまった。時にはそのまま二、三日も失神してしまう。私は何が何だかわからない。ただ彼女の前へ、朝から晩まで坐って慰めていた。R子は私の顔を見つめている間は笑っているのだが、客がくるとか、用事で立つと、すぐ泣き出すのだ。客と私が店で応対中は、暖簾の間から顔を出して微笑を私に捧げるものだから、客も少なからずおそれて逃げ出した。
店はしたがって丁稚と番頭の二人の世界だった。手車を曳いて二人は顧客廻りに出るのだが、芝居裏のとある街角の電柱で手車はいつも一人待たされていた。巡査は時々この車は一体誰のものかといって、靴で一つ蹴って行った。
今月も、来月も毎月損害ばかりだった。B夫婦はこの有様を心配して嫁を当分入院させようとした。一時間も離れてはいないR子が、私から隔離されるということは、彼女にとっては大事件だった。それを聞くと彼女は直ちに痙攣を起こして意識を失ってしまった。
R子の目が醒めた時、そこは病院だった。
病院のR子から幾通かの手紙が束になって来た。病院へ来てくれというのだ。病院へ行くことはならぬと禁じられていた私は、大方の時間を病院で暮して互いに眺め
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