皮でこさえた袋物やら、いろいろと買った。他のものは皆フランスへ帰ってから、又いろいろ買う事にする。フランスの方がやっぱり面白いものはあるにはあるね。
 もう、寒くて、外出も出来にくくなったから、明日の午後二時の汽車でパリへ帰る。
 注文して置いた洋服とオバーとが、出来て来たよ。これを着てパリへ帰るんだ。ドイツ風のステキな服が出来たよ。これで、オバーと服と両方で4,400マルクだ。日本の金に直すと六十六円だ、安いもんやろ。
 二三日前から僕が買った写真機で、四五枚写して、うちで現像をやって見たよ。まだ紙に焼かないが、焼いたら送るよ。
 小さい機械だが、レンズがステキにいいので、中々うまく行くよ。
 何れパリへ帰ったら、ゆっくりと便りをする。皆の健康を祈る。泰ちゃん、たっしゃか。
 今居る下宿には、日本人が十人程泊っている。皆、プロフェッサーだとか、医師だとか、そんな人ばかりだ。エカキは俺と林と二人切りだ。めしは食堂へ食いに行く。するとこの宿の家族が食卓を共にする。五十七八のおふくろと、その姉になる人と、頑丈な一寸中村義夫に似た娘さんと、息子とその細君とが、よくテーブルに並ぶ。そして、あと
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