気はしないかもしれないよ。
 雪が降って、それが溶けないと云うと、よほど寒そうだが、然し、部屋の中は、火鉢も必要がない。勿論コタツなぞはほしいと思った事がない。手や足はポカポカとしている。それ位、家の中はしのぎよい。外出は自動車を飛ばすから、楽くなもんだ。
 きのう、重子の為めに、又時計を一つ買ったよ。僕の旅費には限りがあるし、いくらドイツがマルクが下がっているとしても、金なぞは世界中相場のきまったもんだから、そして気ザで僕はキライだから、ドイツでなくてはない様な、ガッシりとした、珍らしい小形の銀時計と、もう一つ鉄の黒い一寸面白い時計を買ったよ。黒の時計で、文字は金色でかいてあるよ。きれいだ。
 此の頃、ドイツのマルクが下がったと同時に、コレデはドイツは破産するかもしれないので、物価がズット上ったよ。
 だから、自動車なぞは、僕がドイツへ来た時は、定価の八倍に上った時だったが、此の頃は又急に十五倍にね上げをした。それでも、日本から比べたら安いもんだけれども、何もかもがズット物価が上ってしまったよ。ストライキもずい分多い。
 それから、だれかに一寸おみやげにやる為めに、小さい万年筆やら、
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