キは、ヒッソリとして、皆が Cabin へ入ってしまっている。海洋のまん中でも、秋はもの淋しくなるものだ。
今夜は甲板で月見の宴をやろうという話がある。丁度、日本では豆明月だと思う。サヤマメがたべて見たいと思う。
パリへ入る日は、丁度おひがんの入りあたりであると思う。
此の辺の空気は乾燥しているので、暑い時でも汗が出ないので、気もちがイツもセイセイしている。健康によいと思う。
おかアさん、おばアちゃん、お梅ちゃん、奧田さんなど、皆への健康を祈る。泰公も皆たっしゃで。又後便にて。
九月十四日 地中海にて クライスト丸より
ポートセイドの町を歩くと、女の手携げ袋のステキな面白いものや、壁かけのいいのや、サラサのいいのがずい分ある。皆かいたいものばかりだ。が、往きに買うと荷物がフエルから、ぜひ帰りには買って帰るつもりである。然しかべかけの一枚は買った。
重子が見たら、とてもその店から動くまいと思われる位、すきなものをどっさりと此の町には売っている。
何から何まで面白いものばかりだ。
アラビヤとアフリカの種々な感じの模様と色のよさは、とても日本の五階下をうろついていては見当
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