私はそれに応じての私の身を置くに適当な何かを以て飾り立て、ぼろぎれを張り廻《めぐら》し、工夫を凝《こら》して心もちよく住んで見せるだけの自信はあると思っている。要するに乞食性だといえばいえる。
衣類、持ちものにしても、私の好みの日本服、好みの洋服、好みの外套《がいとう》、好みの帽子、好みの宝石、好みの時計、好みの自動車といいかけると限りなく私の注文は心の奥に控えている。
だがしかし、私は万事を自分の心のままに出来得ないものならば、最早や何一つとして注文して見る必要はないと考えている。だから、手当り次第の勝手気ままの不統一で通す事にしている。一度パリで買って私の気に入ったパンタロンは、よそ行きも常も婚礼も朝から晩まで着通して、今なお着用しているがさすがに、縞《しま》が磨滅して来た。惜しいものである。
終日、洋服で通すという不粋な事は私だって本当は好きだといえないが、私は洋服を意地からでも着て暮す。
勿論、私の今の家には座るべき座敷がないのだから、和服では裾《すそ》が寒くて堪《たま》らない上に、私のやせぎすは、腹が内側へ凹《へこ》んでいるために、日に幾度ともなく、帯を締め直す煩《は
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